~金融機関の選択~
もう少し新NISAの話をしましょう。

 『NISAの良さはわかった。特に運用益が非課税なのが良い。でも、どの金融機関でどのような商品を選べば良いか全くわからん。』というのが、もう一歩投資に踏み出せない原因ではないでしょうか。

 NISAを始めるためには、金融機関にNISA専用の口座を作る必要があります。NISA口座は非課税になることから一つの金融機関でしか開設することができません。更に利用する金融機関の変更は年1回に限られており、手続も相当の時間と手間が掛かります。NISAは、証券会社のみならず銀行や保険会社等の金融機関でも取り扱っていますので、どの金融機関を選択するか迷いますね。

 まず、銀行などなじみの深い金融機関にするか、証券会社にするかが問題です。退職金は銀行に預けることが多く、ついでに投資も勧められて、『じゃお願いします』なんてこともありそうです。確かに便利ですが、株式の売買は証券会社に限られているのです(投資信託は銀行等でも可)。従って、将来的にNISAの成長枠で株取引の可能性がある場合は、証券会社での口座開設をお勧めします(金融関連情報や投資に関する学習のコンテンツも豊富です)。

 『それで?証券会社だってたくさんあって、どこがいいか全く見当もつかない。そもそも、なんか敷居が高い。』と言う人もいます。

 証券会社は、顧客との関係において対面証券とネット証券に区分されます。対面証券とは、銀行と同じく各地域に店舗を構え、その店舗の担当者を通じて取引します。担当者のアドバイスを受け、相談しながら売買することができます。反面、人件費や店舗の維持費などのコストが掛かるため、一般的に取引手数料は高くなります。

 一方、ネット証券は、その名の通りネットを通じて取引を行ないます。店舗を持たず、担当者もいないため、自らの判断で取引する必要があります。そのため、手数料は比較的安く設定されています。更に今年10月から、ネット証券大手のSBI証券と楽天証券は一定の国内株式の取引手数料も無料にしました。

 長期にわたる投資になると、取引手数料の違いも馬鹿になりません。少額のつみたて投資の場合は、自ら少しずつ勉強していくことでカバーできるので、手数料の安いネット証券での口座開設をお勧めします。

 一方、一度に高額投資をする場合は、担当者のアドバイスは有用ですし、最初からアドバイスがほしいという方は野村證券や大和証券などの対面証券の方が向いていると思います。

 NISA口座の開設は各金融機関のホームページから可能です。いずれにしても、手続きの前に、手数料など必要経費について必ずチェックしましょう。