コロナ禍は、ようやく落ち着いてきてマスクもほぼ個人判断になりました。 いよいよ、自分の時間を楽しむ時期になったようです。こんな今、今ここに与えられた時間を活かして自己啓発に勤(いそ)しんでおられる方もおられると思います。
 それでは、第1回目の『人生探索教室』を始めます。今回は、「やってみないと..」です。 よくスポーツ選手が「頂上を極めると違ったものが見えてくる」と言っていますが、頂上を極めることによって、努力を積んでも今まで見えなかったものが見えたり、思ってもなかった喜びを感じたり、さらには新たな課題が湧いて来たりします。
 私は、現役自衛官の時に、富士登山の訓練で急いで登ったために高山病で激しい頭痛を起こして、あと少しの9合目で下山しようかと思ったことがありました。不安の中で自分を鼓舞して登り続けて頂上に立ったら頭痛が吹っ飛んで、神々しいご来光と雲海に感動した経験があります。あの時、9合目で諦めていたらあの感動は一生味わえませんでした。
 「やってみないと..」は、日々のささいなこと、つまり、遊びでも、働くことでも、学びでも、愛することでも、人生の共通の問題ではないでしょうか。
 今回はその中でも「学び」における「資格に挑戦」について考えてみたいと思います。
 「資格を取っても意味がない」と言う人がいますが、果たしてそうでしょうか。私は、それはまったく違うと思います。そのように言っている人は、“努力して取った「資格」を活かせなかった”ことが過去にあったり、“資格取得に挑戦して挫折してしまった”“悔しさや嫉妬感など”から吹聴しているのではないでしょうか。
 求職者の「履歴書」に書かれた「資格」は、第三者の評価を証明するものであり、それは“本人の向上心や成長意欲の強さを示す”「無言の証」そのものです。「資格」の記載は、面接で自己アピールするよりも確実に評価されますし、採用される職務に合致したものがあれば企業側も安心して採用することになります。また約半数の企業では、従業員の自己啓発を奨励するために「資格手当」を支給しています。今は、自宅でもオンラインで勉強して取得できる「資格」もたくさんあります。(※Instagram:#資格、YouTube:資格関連 URL:資格関連)
 さらに自分に対してお金を出すことによってより資格の重みを感じることができます。
 私は自衛官の時に、「気象予報士」にあこがれて7回挑戦しましたが残念ながら合格には至りませんでした。しかしその努力は今も無駄になっていません。定年後は心理系や卓球の審判資格に興味があったので、「メンタルヘルスマネジメント」「産業カウンセラー」「キャリアコンサルタント」「キャリアコンサルティング技能士」「卓球の上級公認審判員」「パラスポーツ指導員」などの「資格」を取得しました。自衛官という職業は多くの人とかかわる機会が多いため、心理系やスポーツの「資格」はとても親和性があると思います。どのような分野でも、興味のある「資格」に挑戦しようと思う方がおられましたら、私自身もぜひ応援したいと思います。
 私にとって「資格に挑戦」は、目標達成そのものに加え、その過程で得られた素晴らしい「学ぶ」仲間との出会いや“生活の張り”“あきらめない気持ち”などが「宝物」になっています。
 鎌倉円覚寺の横田南嶺管長は、「識羞(しきしゅう)」という言葉を使って、「恥を知ること、羞恥心を持つこと、自分の未熟さに気づいて思いあがらずいっそう向上する心」と「禅の心」を説いていますが、人生はまさに「一生勉強」だと思います。

 またこの機会にぜひ当会のホームページの「50代からの『自分磨き』(YouTube)をご覧ください。 令和5年の新年度も日々新たに「やってみないと..」で過ごしてみませんか。

次回は、「資格に挑戦の要領」についてお話したいと思います。

健康一番、相談二番で!

令和5年4月1日
退職自衛官の再就職を応援する会 世話人 人生探索人 CAN-DO