REIT(リート)とはReal Estate Investment Trustの頭文字で不動産投資信託のことです。前回、直接の不動産投資はリスクが大きく、借金までして投資するのはお勧めできないという話をしました。このREIT(リート)は、同じく不動産に投資しますが、不動産の専門家(不動産投資法人)が多くの投資家から集めたお金をマンションやオフィスビルなどの多くの不動産に投資し、そこから得られる賃貸収入や売却益を投資家に分配する仕組みのものです。投資対象が不動産と言うだけで、仕組みは株式投資信託に似ています。従って、個別株式を買うより株式投資信託の方が少額で分散投資できるように、REITもワンルームマンションのオーナーになるなど不動産に直接投資するよりも、少額から購入が可能でリスク分散が可能です。投資先は「オフィスビル」や「商業施設」「マンション」など多岐にわたります。

 REITのメリットは、少額で、例えば丸の内のオフィスビルなど何億もする実物資産に投資ができることです。また複数の不動産に投資することも可能でリスク分散ができること、商品は証券市場で売買でき流動性が高いことなどが挙げられます。そして、大きな魅力の1つが、一般的に株式投資信託等と比べ分配金の利回りが高いことです。ネットでREIT分配金ランキングを検索すると分配金利回りは4%~5%の商品が並んでいます。

 一方、RIETのデメリットは、株式投資信託と同様に証券市場で売買されていますので、その商品価値が下がれば元本を割り込む可能性があることです。特に、REITは投資家から集めた資金だけでなく、銀行等からの借り入れによっても資金を調達しているので、金利が上昇すると、銀行等への返済額が膨らみ、分配金が減少するリスクがあり、商品自体の価格も下落するリスクもあります。また、実物不動産への投資なので、例えばコロナ禍によってリモートワークの普及によりオフィスビルの空室率が上がり、地震などの自然災害によるダメージも分配利率や価格にも影響を及ぼします。

 REITは6資産投資信託や8資産投資信託などの名称のNISA(つみたて枠)商品に組み入れられていますし、NISA(成長枠)の対象でもあります。REITが他の商品に比べて特に有利な商品と言うことではありませんが、分散投資先の1つとして有力な選択肢だと思います。