新NISAの対象ではありませんが、リスクを極力抑えたい人にとっては、国債も有力な投資先になります。特に株式や投資信託など元本割れの可能性がある金融商品には手を出したくないし、かといって銀行預金では物価上昇にも追いついていけないと思っている人には、日本国債はお勧めです。国債は、国が発行する債券で他の金融商品に比較しても元本割れもなくリスクは相当に小さいと言えます。一方、預貯金金利に比べると国債の金利は高めで、また最低金利も0.05%と定められています。

 これまで、日本銀行は景気回復と物価上昇2%を目標に異次元の金融緩和を進めてきましたが、今年後半になって物価も上がり金利も徐々に上昇してきています。日本銀行がいつ異次元の金融緩和政策を転換させるかが焦点になってきており、来年は更に金利が上がる可能性があります。

 個人向け国債には、固定3年、固定5年、変動10年の3種類があります。固定3年は満期が3年で固定金利、固定5年は満期5年の固定金利、変動10年は満期10年で変動金利になります。例えば、100万円の投資をした場合、固定金利3年では、3年間の間、半年に一回金利(現在年率0.19%)の利払いがあり、3年後に元本100万円が償還されます。固定5年の場合は、現在の金利は0.42%で5年後に元本100万円が償還されます。

 変動金利10年は、金利が変動しますが現在は0.6%の金利がついていますので、元本100万円で年間6000円の利子がつくことになります。一方、現在の大手銀行の10年定期は金利0.2%です。
国債は毎月発行しており、証券会社や銀行などで1万円からの購入が可能です。購入に際して、手数料はかかりません。また、金融機関によっては、購入キャンペーンを実施しているところもあります。