いよいよ来年1月から新NISA制度が開始されます。口座開設はお済みでしょうか?現行NISAでも既に1,900万口座があります。この新制度の開始で利用者は益々増えていくことでしょう。

 新NISAでは、つみたて枠と成長投資枠があります。つみたて枠は限定された投資信託商品が対象となり年間120万円、最大1,800万円の投資が可能です。一方、成長投資枠は、個別株式などにも年間240万円、最大1,200万円までの投資が可能となります。運用益は全て非課税ですから、既に株式運用されている方も限度額まではこの成長枠を利用されることをお勧めします。

 株式の利益には、売買による利益、株式の配当金、そして株主優待があります。

 売買による利益は(キャピタルゲインと言います)は、文字通り株価が安いときに買って高いときに売ることによって利益を得るものです。例えば半導体関連企業の東京エレクトロンは今年1月13,000円だった株価は12月現在23,000円台となっています。100株買っていれば、今は100万円の利益が出ていることになります。但し、株式は振れ幅が大きく、大きな利益が狙える反面、リスクも大きくなります。従って、余裕資金の利用や短期売買で大きな利益を狙うような運用はしないなど一定の条件下に利用されるのが良いと思います。

 次に配当金(配当金や投資信託の分配金あるいは預貯金の金利など保有することで得られる利益をインカムゲインと言います)は、企業が株主への利益還元として支払うものですが、年間の配当額は各企業によって異なります。毎年増配を繰り返している企業や配当利回り(配当利回り=年間配当金÷一株あたりの株価)が5%を超える企業もあり魅力的です。例えば、株価3,000円、配当金150円であれば、配当利回り5%となり、1,000株(300万円相当)保有していれば年間の配当金は15万円になります。NISA成長枠1,200万円分保有すると年間配当金は60万円になります。但し、株価自体が値を下げるリスクがあるので、一度に投資するよりも、つみたて方式同様に定期的に、あるいは株価が下がった時に少しずつ買い増しをしていく方法をお勧めします。

 最後に株主優待です。皆さんご存じのとおり、食品や割引券、食事券、クオカードなどがもらえます。くら寿司は100株保有で、5000円相当の優待食事割引券を出しています。加えて配当金が年2000円(100株保有)です。ネットで、多くのお勧め株主優待が紹介されていますので、成長枠を利用して、株主優待を満喫するのも良いでしょう。

 キャピタルゲイン、インカムゲインそして株主優待と株式の大きな魅力ですが、そもそもの株価が値下がりしたのでは、大きな損失になる場合もあります。従って、個別株式を買おうとする場合は、その企業の規模、売り上げや利益の推移、資産と負債などの財務状況について、将来的に成長を期待できるかどうかを最低限押さえておくことが大事です。